2009年12月29日火曜日

狩野亨吉

狩野亨吉(1865年9月17日 - 1942年12月22日)。日本の教育者。安藤昌益を発見し、夏目漱石の友人でもあった。大変な読書化で自宅には10万冊の蔵書があったとか。
秋田の大館の出身。漢学の家に生まれた。藩士で代々学者の系図。東大予備門、東大理学部数学科、東大文化大学哲学科。34歳の若さで第一高等学校の校長となる。安藤昌益の著書『自然真営道』を見出し、紹介したが、自信は一冊の著書も刊行しなかった。京都帝国大学文科大学初代学長。大学引退後は、目利きとして活動した。
凄まじくエリートで頭の切れが良い人物だ。それでいてアナーキストな要素も持つ。この時代の人物としてその思想に共感する。

2009年12月27日日曜日

田んぼ

3反の田んぼを営業するとどれぐらいの収穫があるのだろうか?
「反」は、米1石の収穫が上げられる田の面積として近世初期(江戸初期ぐらい)に定義された。1石は下位単位では10斗にあたり、同じく100升、1,000合に相当する。米1合がおおむね大人の1食分とされているので、1石は人1人が1年間に消費する量にほぼ等しい(365日×3合/日=1095合。)。
つまり一年に一回収穫するとして、3反あれば人3人が暮らしていける。4人家族なら4反か。
ちなみに1反は約1000㎡なので3反なら3000㎡、4人なら4000㎡。2000畳。1000坪ぐらい。10万円/㎡(東京郊外の住宅)なら4億円。5000円/㎡(沖縄離島の住宅・工業地)なら2000万円。
土地の値段と米の値段だけを考えると、5000円/10kgなら、150g/合として、年間で4石=4000合なので、6000kg=300万円か。7年ぐらい。

2009年12月24日木曜日

山本五十六

山本五十六(1884年4月4日 - 1943年4月18日)は、大日本帝国海軍の26、27代連合艦隊司令長官で元帥海軍大将。太平洋戦争時の元帥で真珠湾攻撃を立案した。戦艦大和の艦長でもあるが、ミッドウェー作戦では大和以下いくつかの戦艦を擁しつつ大敗。空母を中心とした、航空機機動戦闘の世界的な戦術の流れに乗れなかったと分析されている。

【思想】
五十六は新潟県長岡市の生まれで、海軍学校を卒業し、佐官になる頃山本家を相続した、この頃から異文化を取り入れる素養が養われていた。その後、1919年から少佐時代にアメリカ(ハーバード)留学を経験し、太平洋戦争に反対していた見聞の広い人物といわれている。日独伊三国軍事同盟や日米開戦に最後まで反対しており、太平洋戦争前には航空機に早期から着目し、陸上機爆撃機を加えた海軍航空隊育成に尽力した。ポーカーなどの博打好きで好奇心も強かった。

【語録】
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「してみせて 言って聞かせて させてみる」(上杉鷹山)

2009年12月23日水曜日

鈍感力

渡辺純一/集英社
敏感で何でも気付く力に対して鈍感である事のすすめ。方法としてあらゆる事に鈍感であれば、世間の余分なしがらみから逃れられるという内容。仕事も恋愛もしかり、動物的な生存力にも及ぶ。ある程度割り切って世間を歩きなさいという事だろう。世間の価値基準が多様になりその中で自分としての価値を守っていく方法になる。世界の成熟という事だろうか。

著作権法改正

従来の著作権法では、他人の著作物を許諾なしに共有ソフトで公開する行為が著作権法違反にあたっていたが、今回の改正では新たに、インターネットなどで違法に配信された音楽や映像をダウンロードする行為も禁じる内容、私的使用でも違法になる。改正著作権法第30条。2010年1月1日施行。

以下も違法。
○ニュース記事を勝手に流用すると著作権侵害になる。記事の見出しや出典が明らかなら合法。
○テレビ番組は許可なくアップロードすることは違法。これら違法な配信による動画ファイルをダウンロードする行為についても違法な配信と知った上で動画や音楽ファイルをダウンロードすると、私的使用でも違法。ただし、Webページ閲覧時のキャッシュなど、パソコンが動作する上で技術的に必要な情報の蓄積は、合法。
○レンタルCDをMDやパソコンに保存することが許されているし、市販やレンタルのDVDビデオのバックアップも、私的使用の範囲と考えられる。ただし、「技術的保護手段」が施されている場合、これを解除して著作物をコピーすると違法。マクロビジョンのコピーコントロールなど。
○プレゼン資料のために権利者の許可なく画像をコピーする行為は、違法(私的でない)。官公庁が作成したものであっても著作権の対象となる。ただし、官公庁の作成物について「禁転載」などの表示がなければ、合法。白書などもこの規定の対象に含まれる。

2009年12月22日火曜日

アブダクション

【概要】
仮説形成や仮説的推論などと訳されている。ある結果や結論を説明するための仮説を形成することを言うこともある。また、哲学やコンピュータの分野でも、定義づけされた言葉として使われている。アブダクションの意味や思考法は、演繹法や帰納法ともまた異なるものであり、失敗の原因を探ったり、計画を立案したり、暗黙的な仮説を形成したりすることにも応用できる。与えられたわずかな遺物をもとに過去を推測しあい、それをくらべあうことと言い換えられる。つまり今あるものから出立して、連携させて、仮説を作る方法がアブダクション。

【歴史】
古くはアリストテレス(前384年 - 前322年3月7日)がアパゴーゲーについて議論している。のちにアパゴーゲーはアブダクション(abduction)と英訳された。チャールズ・サンダース・パース(1839年9月10日 - 1914年4月19日)は演繹(deduction)、帰納(induction)に対する第三の方法としてアブダクションを「最良の説明を発見する推論方法」と定義した。空海(774年 - 835年4月22日)は華厳理論を応用して『秘密曼荼羅十住心論』を書き上げ、日本に渡来した数多くの仏教の宗派をならべて、くらべて、つなげた。

【もう少し】
アブダクションは、関連する証拠を最もよく説明する仮説を選択する推論法である。アブダクションは観察された諸事実の集合から出発し、それらの事実についての最も尤もらしい、ないしは最良の説明へと推論する。

演繹は、 a の帰結として b を導くことを可能にする。 ほかの言い方をすると、演繹は仮定されたことの諸帰結を導く過程である。 妥当な演繹は、諸仮定が真であれば結論も真であることを保証する。仮定から仮定へ。
a→b

帰納は、ある a が b を必然的に伴うときに、 b のいくらかの事例を挙げることから a を推論することを可能にする。 帰納はいくらかの後件を観察した結果として蓋然的な前件を推論する過程である。事実から発生元(当然ありうるであろう前提)を仮定する。
a←b1
 ←b2
 ←b3

アブダクションは、 b についての説明として a を推論することを可能にする。 このために、アブダクションは「a は b を必然的に伴う」の前提条件 a がその帰結 b から推論されることを可能にする。 このように、演繹とアブダクションは、「a は b を必然的に伴う」のような規則が推論のために使われる方向が異なる。
a?←b1

【帰納とアブダクションは似ている】
帰納は仮説の評価が中心であり、「言明の真であること」の正当化が求められ、帰納的な正当化という形で帰納が使われる。アブダクションは仮説の生成であり、疑念や謎を信念に変える直観ともいえるだろう、それがアブダクションのもつ特徴である。つまり創造力での拡張なのではないか。
- 一般化を与える帰納、説明を与えるアブダクション -
- 観察-(アブダクション)-仮説-(演繹)-予測-(帰納)ー
「統合と管理と運用の制度をつくったのが近代国家と資本主義」
「消費の欲求は、それに対応する生産の欲求にくらべてはるかに急速に模倣され、容易に広がっていくという」ことである。また、「あらゆる領域において、消費の欲求が生産の欲求に先行する」

2009年12月21日月曜日

山本七平

山本七平(1921年12月18日 - 1991年12月10日)、山本書店店主。評論家。
店主で評論家?それでいて著作多数。

クリスチャンの両親の間に長男と生まれる。七という数字は安息日からというから相当の入れ込みだったのだろう。子供の頃に洗礼をうけ、戦時中は陸軍へ入隊、ルソン島の戦いに参戦し、終戦後はマニラの捕虜収容所に捕われる。帰国後、1956年 - 世田谷区の自宅で聖書学を専門とする出版社、山本書店株式会社を創業というから幼少のキリスト教の記憶は相当のものだったのであろう。1970年にはイザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』を発刊。大平内閣の諮問機関「文化の時代」研究グループの議長を務める。

日本社会・日本文化・日本人の行動様式を「空気」「実体語・空体語」といった概念を用いて分析した。クリスチャンであるだけでなく、父親の親族に大逆事件で処刑された大石誠之助をもっていた事は日本人に対する思考の原点であるといえる。

『日本資本主義の精神』:1979年。なぜ、一生懸命働くのか?資本主義か社会主義かという経済体制はあまり重要ではなく、その国に資本主義の精神があるか、あるとすればどのような特徴を持った精神かということが重要で、その特徴によってその国の経済の強みや弱みが生まれる。
『現人神の創作者たち』:1983年。いかにして尊皇思想が生まれたかを探求した作品。山本は、日本に亡命してきた明の儒学者朱舜水を起点とし、山崎闇斎、浅見絅斎、安積澹泊、栗山潜峰、三宅観瀾らの議論を追いながら、どのように尊皇思想が形成されていく様子を描いた。
『日本人とユダヤ人』:2004年。高いコストをかけて保険に入るユダヤ人、安全と水は無料が当たり前と考える日本人。機密を守り通すユダヤ人、「青竹を割ったように」「腹蔵無く」話す日本人。ユダヤ人がなぜ迫害されてきたのか?アメリカという「帝国」亡き後の日本にも国際社会からの迫害が起こる理由。

2009年12月20日日曜日

タバコ税の増税

○タバコの○タバコデータ
タバコの1箱当たりの価格は、
米 949円
英 856円
仏 643円
独 562円
日 300円

1箱当たりの価格に占めるたばこ税の割合は、
米 50.1%
英 63.1%
仏 64.6%
独 59.1%
日 58.3%

○何故外国は高い?
一見すると、税金の割合が少なく事業者のコスト削減努力によるものかと見えそうだが、外国のたばこ価格には、「たばこ税の他に、消費税に当たるVAT(付加価値税)が占める割合が日本より高い」のである。日本も環境税の一貫としてこちらを増やせば良いのではないか?そうすると道路特定財源のような使途が限られなくてすむ。

○どれぐらいの人が吸ってるの?
実際どれぐらいの人がタバコ税増税によって影響をうけるかというと、喫煙者率は
日 24.9%(男性38.9%、女性11.9%)
露 38.8%
独 27.2%
仏 26.4%
である。成人の1/4の人が影響を受けるので効果は絶大であるが、世界的な健康ブームの視点で見てみると、諸外国に比べて実はそれ程多くない。

○歳出増?減?
たばこに関わる税金( 「国たばこ税」」「地方たばこ税」「たばこ特別税」)は、年間で2兆円以上の歳入。医療費歳出は30兆円=国家予算の1/4。
一方減る方はというと、たばこ害による医療費は一人当たり3万円程度と試算されているので、1兆円/年ぐらいの医療費が負担されている事になる。
ただし、逆にたばこを吸わなくなって長生きできて25%の人の1年寿命が延びると、支払い年金額が増える。例えば、年間100万円として、長生きする人が寿命近い年齢の人:1.5%人口の1/4で50万人いるとして、5000億円。2年延びれば1兆円。そっくり負担が増える。
ならば、やはりこれからの日本はこういった人たちにも働いてもらう必要がある。労働市場の活性化が必要だ。

2009年12月19日土曜日

ローザ・ルクセンブルク

ローザ・ルクセンブルク(1871年3月5日 - 1919年1月15日)は、ポーランドに生まれドイツで活動したマルクス主義の政治理論家、哲学者、革命家。ポーランド王国社会民主党の理論家で、ドイツ社会民主党に関るようになる。機関紙『赤旗』を発刊し、ドイツ共産党を創設。1919年1月にはベルリンでドイツ革命に続いて武装蜂起を指導するが、国防軍の残党やフライコール(義勇軍)との衝突の中で数百人の仲間とともに逮捕、殺害される。革命の象徴的存在。

ロシア帝国支配のポーランドで、ユダヤ人の子として生まれ、少女時代にはゲーテやシラーに傾倒して多大な影響を受けた。ギムナジウム卒業後は「プロレタリアート」のメンバーとなる。チューリッヒ大学哲学科へ入学し、哲学、歴史学、政治学、経済学、数学を学んだ。1890年に社会民主主義に対するビスマルクの規制が解かれると、ドイツ社会民主党が国会に進出、ローザは革命的マルクス主義者として資本主義そのものに対した。エンゲルスのテーゼに忠実であり、カウツキーの「民族融合論」に賛同してレーニンらの唱える社会主義の下での民族自決権を否定した。
1898年にはドイツへ移住、ドイツ社会民主労働党(SPD)に入党。修正主義を唱えていた主流派のエドゥアルト・ベルンシュタインが1899年に発表した論文「社会主義のための諸前提と社会民主主義の任務」に反論。ローザは、資本と労働のあいだの決定的な差異を埋めるには、プロレタリアートが権力を獲得し生産方法に関わるすべてに革命的な変革が起こらない限り不可能であると主張して修正主義者たちに反対、議会制民主主義を重視する多数派や党指導部のカウツキーらとの対立に至る。ただし、カウツキーも党綱領からマルクス主義を捨て去ることまではしなかった。
1914年7月28日第一次世界大戦会戦後、ローザを中心に、党内左派は1914年8月5日に「グルッペ・インターナツィオナーレ」を結成し、『スパルタクス書簡』と題した非合法の冊子を発行した。メンバー共有のペンネームとして「スパルタクス」(共和制ローマで奴隷たちによる反乱を率いたトラキア出身の奴隷剣闘士の名)が用いられたことから、「グルッペ・インターナツィオナーレ」はスパルタクス団とも呼ばれる。ローザ自身は共和制ローマの創設者で初代執政官と伝えられるルキウス・ユニウス・ブルートゥスにちなむペンネーム「ユニウス」を用いた。ドイツ労働者への武装蜂起の呼びかけや勃発直後のロシア革命に関する見解(具体的にはレーニン批判)などの論文を執筆。1919年1月15日にベルリンでフライコールに逮捕され、数百人の同志と同様に2人とも殺害された。銃床で殴り殺されて近くの川に投げ捨てられた。ローザの死体は6ヶ月ものあいだ放置され、拾い上げられたときには識別困難であったという。

冬の兵士

「冬の兵士」とは、自分達が戦争で犯した罪を告白し、戦争の恐ろしさを告発する会およびその帰還兵の事を指す。もともとは、1971年にベトナム帰還兵によって開かれた集会。アメリカでは「困難に立ち向かい戦う本当の愛国者」と意味される。最近ではイラク・アフガニスタン帰還兵によって行われている。彼らの証言を聞くと、なぜアメリカがいずれの戦線でも勝利できずにいるのかが見えてくる。イラク現地での戦死者より、自殺した帰還兵の方が多いのもイラクでの残虐行為を物語っている。動画配信サイトではその集会の模様もみれる。
米国独立運動の思想家トーマス・ペインが、過酷な軍務を嫌って脱走した兵士たちを「夏の兵士」と呼んだことから名づけられた。

ガソリン税

「ガソリン税」
日本のガソリンの税負担率は、現状:62円/L。暫定税率が廃止されると、37円/L。2兆円規模の税収がなくなり、CO2は増加し、狭い日本はより住みにくくなる。
欧米のガソリンの税負担率は、現状:100円/L。
「子供手当て税」
4月に廃止された母子加算手当ては200億円。効果が微妙とされる温暖化対策費用は1兆円。
思いやり予算2000億円。
所得が2000万円以上の人口率は99.9%。
「法人税」
法人税率の世界平均は25.9%
EU諸国:23.2%。アジア太平洋諸国:28.4%。日本:40.69%。
「消費税」
間接税の世界平均は15.7%
EU諸国:19.49%。アジア太平洋諸国:11.14%。日本:5%。
「福祉」
2020年に温暖化ガスを25%削減しないとならないかと思えば、2025年には、高齢化率が30%になって年金負担は増加。雇用保険は未加入者、支払先を増やすために値上げされる。
どんなに生活しにくくなる国になるのだろうか。

2009年12月18日金曜日

サラダ記念日

俵万智の第1歌集。1987年5月8日初版発行。
刊行前から話題となり、280万部のベストセラーとなった。初版の発行部数は3000部。
表題の「サラダ記念日」のほか、第32回角川短歌賞を受賞した「八月の朝」などを含む434首を収録。発売翌年、第32回現代歌人協会賞を受賞。新しい現代短歌の先駆けとなり、後に続く若手の歌人たちに影響を与えた。
1989年にはジュリエット・カーペンターによる英訳版も出版された。
元々月刊カドカワの企画で注目を浴びていた俵の初歌集という事で角川書店からの出版になるはずだったが、角川書店社長の角川春樹自身が俳人であり、歌集、句集など短詩型文学の書籍は売れないという事を知っていたため出版に反対したといういきさつがある。結局河出書房から出版されたこの『サラダ記念日』はミリオンセラーとなり、みすみすそのチャンスを逸した格好になった角川は後に「人生最大の失敗だった」と振り返っている。
俵万智(1962年-)は、日本の歌人。結社「心の花」所属。所属事務所は東京コンサーツ。大阪府北河内郡門真町(現門真市)生まれ、同四條畷市、福井県武生市(現・越前市)育ち。早稲田大学第一文学部国文学科卒業。

与謝野晶子(明治11年(1878年)12月7日 - 昭和17年(1942年)5月29日)。大阪府堺市(現在の堺区)出身。明治37年(1904年)9月、『君死にたまふことなかれ』を『明星』に発表。明治44年(1911年)には史上初の女性文芸誌『青鞜』創刊号に「山の動く日きたる」で始まる詩を寄稿した。男女平等教育を唱え、日本で最初の男女共学を成立させる。を完成させる。昭和14年(19389年)月『新新訳源氏物語』刊行。

2009年12月16日水曜日

日米合意

=日米地位協定=正式名称「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」
1960年(昭和35年)1月19日に、新日米安保条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)第6条に基づき、日本とアメリカ合衆国との間で締結された行政協定(不平等条約)。1952年(昭和27年)2月28日に、旧・日米安全保障条約3条に基づいて締結された日米行政協定(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定)を承継する。主に在日米軍の日米間での取り扱いなどを定める。自由化とかグローバルとか言いながら植民地支配的なこんな取り決めがあって良いのか?

【裁判権】
この法律により、合衆国の軍法に服するすべての者に対して、また米軍基地内において、合衆国の法令のすべての刑事及び懲戒の裁判権を日本国において行使する権利を有する。とされ、アメリカ合衆国軍隊が第一次的裁判権を持つ。米軍の軍法に服する者には、日本で罪にならない犯罪でも米国の法令で犯罪となるなら、米軍が専属的裁判権を行使する権利を有する。また裁判権が競合する場合でも、公務執行中の作為又は不作為から生ずる場合は、合衆国軍隊の構成員又は軍属に対して米軍が第一次的裁判権を有するとされる。

何が不平等かというと、日本国内でありながら日本の法令は適用されず駐在公館並みの治外法権・特権が保証されている。つまりアメリカ軍人や軍管轄の場所で起こった事件は日本の裁判で裁く事は出来ずアメリカの法律(というより軍法)によって裁く事が可能。日本とアメリカの文化は多様に異なっているけども、悪く言えば、自分たちで勝手に法律をつくり、その勝手な法律に合う範囲なら、犯罪にされないという事。殺人や強姦をしても自分たちがOKなら、罪を償うことはないという事なのだ。これまで沖縄ではそれが原因でさばかれなかった事件は多数である。
# ジラード事件
# 米軍機母子殺傷事件
# 横浜米軍機墜落事件
# 沖縄米兵少女暴行事件
# 沖国大米軍ヘリ墜落事件

【使用権】
米軍が日本の「施設及び区域を使用する」。米軍が「(基地の)設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる」。基地の外でも、民間の空港や港湾、道路を自由に使用出来て無料。

【経済特権】
物品税や揮発油税など数々の免税措置。基地の提供費(地代など)も、日本側が負担。

2009年12月15日火曜日

埋蔵金

いわゆる霞ヶ関埋蔵金について。
日本政府における特別会計の剰余金や積立金の俗称。
名付け親は、自民党財政改革研究会の会長・与謝野馨。2007年11月、特別会計の見直しなどで15兆円を捻出するという民主党案を「霞が関埋蔵金伝説のたぐい」と批判したのが始まり。2008年度予算では、その存在について、いわゆる「上げ潮派」と「財政再建派」の間でその存否について争いがあったが、元財務官僚の高橋洋一の指摘で存在が明らかとなった。2009年度予算では、急激な景気の悪化による税収減を背景に「霞が関埋蔵金」を活用することを前提に予算編成が行われた。日本全国に90ある国立大学に07年度段階で約3千億円の「埋蔵金」があることが財務省の調査で分かった。
埋蔵金の元となる特別会計には、林野業や治水事業など特定の事業を行なうために設けられる事業特別会計や、特定の資金を運用するために設定される資金特別会計などがある。その資金特別会計の中に、財政融資資金特別会計(財融特会)と外国資金特別会計(外為特会)とがあり、それらの中に、埋蔵金と称される多額の資金が眠っているというのだ。

【予算】
一般会計
特別会計-事業特別会計
-資金特別会計-財融特会(埋蔵金)  
-外為特会(埋蔵金)

財融特会とは、債券=財投債を発行して調達した資金を、政府系の金融機関や地方公共団体を通して零細企業などに貸し付ける仕組みだ。貸出しによって得られる利息収入や運用益と、財投債発行などの費用との差額=利益の一部を、金利変動準備金として毎年積み立てることになっている。金利変動準備金とは、将来の金利上昇などによって損失が発生することに備える目的の積立金だ。その額は、2007年度末には約17兆9千億円になると見込まれる。その他にも、外国為替相場の安定化を図るなどの目的で設定された外為特会にも、財融特会とほぼ同額の積立金が蓄積されていると見られる。
国債発行44兆円。消費税10%。予算100兆円。。。民主党も選挙時の「無駄遣い削減」からは程遠い施策になっている。お金がないと駄目なのですか?

2009年12月14日月曜日

そぼろ

そぼろ
そぼろは、豚や鶏の挽肉、魚肉やエビをゆでてほぐしたもの、溶き卵などを、そのままあるいは調味して、汁気がなくなりぱらぱらになるまで炒った食品。そのまま米飯にのせたり、ある種の寿司や弁当の材料として使用される。また鶏肉のそぼろをダイコンやカボチャの煮物に用いたものはそぼろ煮と呼ばれる。保存性が良くお弁当などにも頻繁に使われる。
おぼろ
似たようなものに、おぼろがある。より細かくほぐしたそぼろをおぼろ(朧)という。おぼろの例として田麩(でんぶ)がある。そぼろも元来は「粗おぼろ」である。ただし、おぼろ昆布(薄く削った昆布)、おぼろ豆腐(固まりかけの豆腐)、おぼろ饅頭(皮を剥いた饅頭)のおぼろは、上の意味のおぼろではないらしい。言葉のイメージは似ているおで多分同じような象形(音形?)から発展しているはず。
【朧】
朧とは春の暖かい空気によってものが朦朧と霞んだように見えるこ。冬の冷たい空気では くっきりクリアに見えた山も、この時期になると輪郭がぼやけてしまって良く見えなくなる。そのような状態が「朧」。朧、というと朧月が真っ先に連想されますが、この現象は月だけでなく、春の夜の 全ての物が柔らかく霞んで、輪郭がぼやけるような様を指すのです。ひとつ気をつけることは、朧は夜のものです。春の夜のほのかな感触を表現するのが朧。昼でも遠くの景色などはうっすらぼやけた感じに見えるのは「霞」。もうひとつ。同じもやでも春は霞と表現しますが秋には霧といいます。 古くは春秋共に霞と霧、どちらも季節に関わりなく用いていたそうですが、後世になって 今日のような区分ができたようです。

2009年12月13日日曜日

イラクの権益分割2

イラクの大型油田・ガス田開発に関する国際2次入札が12日、バグダッドで行われ、日本の石油資源開発とマレーシア国営石油会社ペトロナスの企業連合が南部ガラフ油田(確認埋蔵量8億6000万バレル)を落札した。11日から始まった2次入札では、同日に英オランダのロイヤル・ダッチ・シェルとペトロナスの企業連合が南部マジヌーン油田(確認埋蔵量126億バレル)、12日にはロシア石油大手の企業連合が南部の西クルナ油田第2フェーズ(同129億バレル)を落札するなど、巨大油田落札が相次いでいる。
日本企業としては初の落札、エネルギー供給の安定性の面からすると良いのだが倫理的に許されるのだろうか。結果的にアメリカが仕掛けた事になるイラク戦争の末のイラクの権益分割、そこにあからさまに入ってく事になっているのだから、同類と思われるのは必至だ。

2009年12月12日土曜日

京都議定書(COP3)

【概要】
気候変動枠組条約に基づき、1997年12月11日に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)での議決した議定書。正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書。
【内容】
地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素 (N2O)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) について、先進国における削減率を1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成することが定められた。
【遵守義務】
気候変動枠組条約および京都議定書により定められた義務については、その約束が遵守されることを担保するため、罰則規定のように機能する規定が設けられることとなった。 具体的には COP7 および COP/moP1 で決定され、疑義が唱えられた際の審議・判断を行う遵守委員会が設けられるとともに、不遵守時には次のような措置が取られることとなっている。
○報告義務不遵守
気候変動枠組条約および京都議定書による温室効果ガス排出量管理に必要な各種排出量および森林吸収量の変化を推計するための基礎的数値については、各国が集計し報告することとなっている(京都議定書 5条・7条、情報の報告義務)。この報告に問題があった場合には#京都メカニズムへの参加資格を喪失する。
○排出枠不遵守
京都議定書により約束した割当量を超えて排出した(#削減目標を達成できなかった)場合には、
・超過した排出量を 3割増にした上で次期排出枠から差し引く(次期削減義務値に上乗せされる)。
・排出量取引において排出枠を売却できなくなる。
【削減目標】
議定書で設定された各国の温室効果ガス6種の削減目標。京都議定書第3条では、2008年から2012年までの期間中に、先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて少なくとも 5%削減することを目的と定め、続く第4条では、各締約国が二酸化炭素とそれに換算した他5種以下の排出量について、以下の割当量を超えないよう削減することを求めている。
    * 92% (-8%) - オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、(欧州連合15か国)
    * 93% (-7%) - アメリカ合衆国(離脱)
    * 94% (-6%) - カナダ、ハンガリー、日本、ポーランド
    * 95% (-5%) - クロアチア
    * 100% (±0%) - ニュージーランド、ロシア、ウクライナ
    * 101% (+1%) - ノルウェー
    * 108% (+8%) - オーストラリア
    * 110% (+10%) - アイスランド
なお、欧州共同体は京都議定書第4条の下で共同で削減を行うこと(バブル)が認められている。欧州が採択するバブルでは、欧州共同体15カ国のそれぞれの削減目標がEU指令で定められている。このEU指令下では、京都議定書策定以前から技術のみに依存するのではなく、化石燃料を使わない方法で化石燃料由来排出量を減らしてきた北欧諸国などは京都議定書の目標値が緩く設定されており、例えばスウェーデンは +4%が認められているなど、具体的な成果を挙げている国については相応の評価がされている。

鳩山イニシアチブ

【内容】先進国主導により主に途上国での削減を目論む
1.日本国を含む先進国が、官民からの多額の資金で排出削減に貢献する。
2.(特に先進国からの資金援助による)途上国の排出削減について、測定・報告・検証可能な形での国際ルールを策定する。
3.(排出削減のために行う)途上国への資金援助の透明性・実効性確保のため、必要な国際システムを構築する。
4.(排出削減のために行う)途上国への技術移転の促進のため、技術移転と両立する知的所有権保護の枠組みを確立する。

【試算】最大に削減努力を行うと経済的には悪化、国民生活に影響
鳩山イニシアチブを実現した結果についての試算は以下のとおり。地球温暖化対策の中期目標について
1. 太陽光発電:現状の55倍が必要
2. 次世代車:新車販売の90%、保有台数の40%、従来型車は販売禁止・車検不合格
3. 断熱住宅:新築の100%、既築も100%改築を義務づけ、現在の給湯器は使用禁止
4. 民間設備投資:-0.4%
5. 可処分所得:年-22万円/世帯
6. 光熱費負担:年+14万円/世帯
7. 失業率:+1.3%
8. GDP:2020年に-3.2%

COP15

COPは、締約国会議(Conference of Parties)の略。COPは、国連気候変動枠組条約(UNFCC)を受けて設置された会議で、年に一度、各国の環境に関わる省庁の大臣が集まり、同条約の成果について話し合います。2009年のこの会議COP15は、12月7日から18日までの2週間にわたり、デンマークの首都コペンハーゲンで行われる。今回の会議の目的は、京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策を決定し、各国の同意を求めること。
日本は「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意」を前提に「90年比25%減」を表明した。しかし、米国の目標は「05年比17%減」で、90年比換算では約4%減。中国は現在の経済成長が続けば20年の排出量が倍増する計算だ。オランダ政府はコペンハーゲンで「国際公平性のさまざまな指標をクリアできるのは日本だけ。EUは90年比30%減でも不足する」と分析。日本の目標は評価されたが、「割高感」も否めない。「25%の数字が変わることはあり得ない」。小沢鋭仁環境相は11日の閣僚委員会後の会見で、COP15の政治合意文書に「25%削減」より低い数値目標を書き込む選択肢はないと断言した。高い目標を貫き、主要国に上積みを迫る構えだが、利害が錯綜(さくそう)する交渉を動かすのは容易ではない。閣僚間の協議では「交渉の状況によっては、25%の引き下げを視野に入れるべきだ」といった意見も出た。しかし、小沢環境相や岡田克也外相らが、民主党のマニフェスト(政権公約)の柱である25%堅持にこだわったという。結局、25%という「強力だが、たった1枚のカード」(交渉筋)で主要国に削減強化を迫る戦略が確定した。
小沢環境相は閣僚委員会後の記者会見で、25%削減目標の扱いについて「前提条件について議論はあったが、その数字(25%)が変わっていくような話はあり得ない」と明言。政府内で検討されていた15%削減など別の数値に変更する可能性を否定した。「米国や中国など各国がさらに野心的目標を出すことを大いに歓迎する」と述べた。

一方、排出量が急増中の中国など新興国には、削減の数値目標の義務づけを求めるが、小沢環境相は「(総排出量の削減目標を掲げる)先進国の扱いとまったく同じではない」とした。そのうえでCOP15では、途上国の排出量を国連に報告し、検証を受ける制度づくりが「交渉の最大のポイントの一つ」と述べた。
政府は新興国を島国など他の途上国と区別して「主要途上国」と位置づけ、交渉方針を練ってきた。中国やインドなどが掲げる国内総生産(GDP)当たりの排出量や、対策を取らない場合に見込まれる排出量からの削減率なども目標として容認。国連への報告・検証制度により、そうした目標の実効性を高めたいとしている。
また、日本や欧州連合(EU)など先進国だけが削減義務を負う京都議定書をそのまま延長する途上国の提案について小沢環境相は「意味がない」と突っぱねた。世界の二酸化炭素の総排出量の4割を占める米中に削減義務がない議定書を部分的に修正したとしても、日本は25%削減を含む数値目標を書き込まない方針を鮮明にした。
また、途上国支援の「鳩山イニシアチブ」については小沢氏は具体的な支援額など詳細の説明は避け、「交渉の経過を見ながら発表する」と述べるにとどめた。政府はCOP15の準備会合で、12年までに計92億ドルを拠出し、さらに上積みの用意があることを明らかにしている。

2009年12月10日木曜日

ニライカナイ

琉球方面に伝わる他界概念のひとつ。
遥か遠い東(辰巳の方角)の海の彼方、または海の底、地の底にあるとされる異界・神界。年初にはニライカナイから神がやってきて豊穣をもたらし、年末にまた帰るとされる。また、生者の魂もニライカナイより来て、死者の魂はニライカナイに去ると考えられている。後生(あの世)であるニライカナイは、祖霊が守護神へと生まれ変わる場所である。
柳田國男は、本土の常世国の信仰と同じ概念であるとし、日本神話の根の国と同一のものとしている。折口信夫は、信仰上の他界概念を水平表象と垂直表象で論じ、権威を守護する神々の神界としてオボツカグラを垂直の、ニライカナイを水平の他界と指摘している。

根の国(ねのくに)は、日本神話に登場する。『古事記』では「根堅州國」(ねのかたすくに)・「底根國」(そこつねのくに)として表記され、一般には根の国と黄泉の国は同じものと考えられている。祝詞においては、罪穢れは根の国に押し流すとしていたり、悪霊邪鬼の根源とされたりしている。逆に、『古事記』では大国主が王権の根拠となる刀・弓矢・琴を根の国から持ち帰っていたり、スサノオが根の国を「妣(はは)の国」と呼んでいたりする。これらのことから、根の国は正と負両方の性格を持った世界と捉えられていたと考えられる。柳田國男は根の国が本来は生命や富の根源の地(=根の国)であったとしている。

2009年12月6日日曜日

道路交通法33条

免許不携帯、泥はね運転などは減点なし、罰金のみ。優良運転者=ゴールド免許の資格もそのまま。