2009年8月30日日曜日

2008年度一般会計

総額     83.1兆円
社会保障  21.8兆
公共事業   6.7兆
教育科学   6.4兆
防衛     4.8兆
他      8.6兆
地方交付税 15.6兆
国債費   20.2兆

特に社会保障関係費は全体の1/4程度でしかも毎年2%程度上がり続けている。5年間で約10%。それを補う形で国債も推移しているため、増え続ける社会保障費=増発される国債という関係になっている。さらにその内訳は年金・医療で20%を占める。これは65歳以上人口が2006年で20%、2050年年で40%と世界でもダントツNo.1の高齢化社会になっている為であるという理由付けがなされる事が多い。高度成長期には先進国中一番したぐらいだったのに(1990年でも10%以下)。この伸び率もNo.1だ。この社会保障の現行制度を維持したままだと世代間の受益格差は改善されず、1950年以降に生まれた人から、いわゆる受益=貰うお金ー払うお金、はマイナスに転じる。現在の20歳代なら▲2000万円にも達するのだ。逆に60歳以上になるとプラス5000万円。
日本の人口構造からくる課題でもあるが、もともとの日本の財政状態も良くない。先進国の中で比べるとここ数年の平均財政収支は最悪の-5%(ドイツは-1%)債務残高は170%(ドイツは60%)。
また、国民の負担率構造にも問題がある。現在の日本における税金と社会保障費の負担率は43%程度とアメリカの次に少ない。他のヨーロッパをみると、ドイツなら56%、フランスなら66%と税金・社会保障費ともに国民がもっと国の皆のためにお金を払っている事になる。逆にそれだけ国に収めても文句がでてこないぐらいのしっかりした社会保障の仕組みと国民の理解が得られているという事になる。アメリカが負担率の割合が少ないのはそれだけ世界から資金を流入させていたり、格差社会を目指す自由の国だからといえる。
これから先の日本の生活を考えるにあたりどちらを目指したいかを想像するにそれ程難くない。私たちは日本特有ともいえる高齢化問題・社会保障問題に対して理解のある政治を求め共に作り、暮らしを安心させていく必要があるのではないだろうか。

2009年8月29日土曜日

アウグスト・ピノチェト

ピノチェト(1915年~2006年)は、チリの軍人で政治家。1937年にチリ軍に入隊し、1971年に陸軍大将となる。1973年8月23日にはカルロス・プラッツの後任として陸軍総司令官に就任し、そのまま1973年9月11日にクーデターを敢行、軍事評議会のリーダーとなる。クーデターの対象となった政権は1970年に自由選挙によって選ばれた史上初めての社会主義政権となったアジェンデ+ネルーダ。ただこれも冷戦時代に反共主義を誰彼となく支援したホワイトハウスの影がある(『サンチャゴに雨が降る』)。ピノチェト政権はミルトン・フリードマンが主張する新自由主義(サッチャー、レーガン、クリントン、中曽根康弘、小泉純一郎)を実行し、1973年には4.3%であった失業率が10年間に22%に上昇。貧富の差は急激に拡大し、貧困率はアジェンデ時代の2倍の40%に達した。そのため経済政策を変更kし、ケインズ政策を実行して軌道修正を図ったが時すでに遅く1988年10月5日の国民投票で敗北。この新自由主義の期間は「失われた10年」といわれている。どこかの国みたいだ。
ピノチェトに対しては、「軍事独裁政権を敷いた冷酷な独裁者」と云う見方、「アジェンデと並ぶアメリカ合衆国の犠牲者」と言う見方、「アメリカ合衆国がチリをダメにした」、「ピノチェトはアメリカ合衆国の被害者だった」という見方がある。

2009年8月28日金曜日

劣後ローン

日銀供与の劣後ローン借り入れ入札で、銀行による落札がゼロとなった。

劣後ローンは、一般の債権者よりも債務弁済の順位が劣るローンのこと。
万一会社が解散や破産などをした場合に、債権者への支払い順位が低く、普通の債権や債券への支払いが終えた後に、資産が残っていれば、劣後債に分配される。その代わりに、通常の債権よりも金利は高く設定されている。
このように、リスクもリターンも高いことから、株式(特に無議決権優先株)に近い性格を持っているため、劣後ローンは自己資本の一部とみなされる。ただし企業会計上は負債になる。日本では1990年から解禁された。銀行がBIS規制の自己資本比率の基準をクリアするために、バブル崩壊後、銀行・生保などで資金調達に用いられてきた。また今回のように銀行への公的資金投入の際にも一部この方式での資本注入が行わる。

会社更生法などの法的整理になった場合は、劣後ローンや劣後債は保護されないが、
政府の管理下におかれた場合は、劣後ローンや劣後債は保護されることが多い。
金融市場への影響があるという理由で。

2009年8月25日火曜日

猿楽

猿楽は、平安時代から室町時代にかけて流行した日本の芸能。および、それをもとに室町期に観阿弥・世阿弥らによって確立された芸能の、1880年までの名称。散楽、申楽とも書く。読み方は「さるがう」とも。演者は座頭級のものを楽頭、太夫、一般の座員を猿楽師、または単に猿楽とよんだ。猿楽という言葉は散楽の転訛したものである。申楽の表記は世阿弥の伝書で使われる。猿楽は本来神楽だから、神の字の旁を用いて申楽と書くのが正しい。「申」とはもと稲妻であり神の発する言葉でもあった。

2009年8月17日月曜日

トーマス・フリードマン

(1953年-)。アメリカのジャーナリストでピューリッツァー賞を3度受賞。国際関係、外交政策をメインとして、定期的に『ニューヨーク・タイムズ』紙上で研究内容を見る事が出来る。オクスフォード大学に進み、中東学で修士号を取得。その後UPI通信ロンドン支局から中東へ覇権された。ジョージ・H・W・ブッシュ時代、ビル・クリントン時代には、ホワイトハウス関係の取材を行い、この前後で中東関係、アメリカの政策関連でピューリッツァー賞を受賞している。その後はアメリカの外交政策や経済政策を中心に取材。

・論方
マクドナルド理論:著書『レクサスとオリーブの木』の中で、フリードマンが提唱した外交理論。「ある国の経済が、マクドナルドのチェーン展開を支えられるくらい大勢の中流階級が現れるレベルまで発展すると、その国の国民はもはや戦争をしたがらない。むしろ、ハンバーガーを求めて列に並ぶ方を選ぶ」。要約すると「マクドナルドがチェーン展開している国同士は戦争を行わない」と言う主張だが、アメリカによるセルビア空爆(1999年コソボ紛争)などを見るとそうともいえない。

イラク戦争:2003年のイラク戦争では開戦を支持し、国連安保理で拒否権をちらつかせて反対したフランスを「アメリカの敵」と非難。一方で、米軍の占領政策には批判的で囚人虐待事件では、ラムズフェルド国防長官を批判。また、実際に現地で取材した際には、イラク人に対する扱いの酷さを見て、「我々は失敗するだろう」とイラク政策の今後に悲観的な発言をしている。開戦時には先の見通しが付けられていなかったという事か。

・著書
『レクサスとオリーブの木』『フラット化する世界』『グリーン革命』

2009年8月14日金曜日

大岡裁判

大岡越前守は、江戸時代中期の名奉行として知られる大岡忠相の事。

彼の名奉行ぶりは、後年に創作された「大岡政談」に詳しくが、『畔倉重四郎』『村井長庵』『徳川天一坊』『越後伝吉』『小間物屋彦兵衛』『縛られ地蔵』など幕末に人気を博して、写本や講談、歌舞伎などに発展している。その殆どは彼の名奉行ぶりから出た創作であると検証され『白子屋お熊事件』ぐらいが実際に行った裁きだとか。

その物語の有名なものの一つに大岡越前が実母権を争う二人の女の裁きがある。彼は白州で実母を主張する二人の女に、子供を両方から手を引っ張らせています。結局、実母は痛がる子供が不憫で手を離してしまうのですが、大岡は手を放した女こそ母である、との裁きを下す。

彼の話のほとんどが中国の『棠陰比事』や『板倉政要』で書かれた裁判話の焼き直しだと言われています。しかし、『棠陰比事』に見る実母権を争う二人の女の話も元を糺していくと旧約聖書・ソロモン王の名裁きにあたります。

旧約聖書の列王記には、互いに実子と主張し一人の子を取り合う2人の母親に対する調停の伝承があります。ソロモン王の前に現れた二人の女に一つの決断をしました。剣を持ってこさせると、子供を二つに断ち切り、半分ずつにせよ、と申し渡しました。そして何も知らずに眠る子の上に冷たく光る剣が振り上げられたそのとき。一人の女が「その子を斬らずにあの女にあげてください、お願いです」と叫びます。これを聞いたもうひとりの女は勝利を確信しましたが、ソロモン王は、「生きている子をその女に与えよ。決してその子を殺してはならない。彼女がその子の母親なのだ」と裁きを下す。

これらの話は、イスラム圏を経由し、北宋の名判官包拯の故事を経由し、エピソードに翻案され含まれたと考えられている。また永禄3年(1560年)に、豊後でイエズス会の宣教師がクリスマスにソロモン裁判劇を行なったという記録もあり、チベットの伝説や釈尊(釈迦)の伝説が日本のキリシタンの影響でまぎれこんだといわれている。

2009年8月13日木曜日

オピニオン誌

世界
出版社:岩波書店
創刊 :1945年12月
発行数:1万部/月
特徴 :革新リベラル色の濃い雑誌であり、1950-1960年代の左派全盛時代には論壇全体の中核月刊誌として権威を誇り、その後も左派論壇の中心的地位を占めた。左派の社会運動や政治運動への影響力はあるが、直接関わることは少なく、市民運動家やフリージャーナリストに誌面を割くこともまれ。広告にも執筆者の肩書きに所属大学、研究機関名を冠するなど権威主義的な傾向がある。

正論
出版社:産経新聞社
創刊 :1973年11月創刊
発行数:8万部/月
特徴 :左派勢力全盛といった時代に対して日本の財界人また保守派を標榜する勢力は非常な危機意識を持つ。その時代背景の中、フジテレビジョンから産経新聞社社長に就任した鹿内信隆は政府・財界人の利益や保守系の立場の人を代弁するような立場を濃厚にして、広告主むけの説明会において、「反共路線による自由社会の保守と日米同盟強化」という反共主義・親米保守の持論の成果として正論路線を提唱しサンケイ出版(現・扶桑社)から『雑誌・正論』を創刊。近年では改憲論・反共論の他にも、日教組教育への批判として自前で新しい歴史教科書などにみられる独自の歴史教科書・公民教科書などを執筆・作成。

その他
WEDGE  ウェッジ   170,054 国鉄
潮      潮出版社   436,667 創価学会
新潮45    新潮社     37,167 保守
フォーサイト 新潮社     22,000 保守
中央公論   中央公論新社  43,167 読売
Voice  PHP研究所  33,467 保守
正論     扶桑社     65,650 保守
文藝春秋   文藝春秋   642,334 保守