2011年12月28日水曜日

金融市場動向 2011年11月

○国内債券334.89↓(前月比▲0.02%) NOMURA-BPI総合インデックス
国内長期金利は、欧州債務問題で月初は低下。
月末は、日本国債の格下げ観測→日本の財政状況に対する不安から上昇。
月末の国内長期金利は1.07%(前月末比+0.02%)。

○外国債券279.82↓(前月比▲2.85%) シティグループ世界国債インデックス(円ベース・日本除く)
米国長期金利は、欧州債務問題によるリスク回避、米国国債への資金流入から一時2%を割り込む。
その後も、2%を中心とした狭いレンジでの動き。
欧州債券市場では、独長期金利等が大幅に上昇したため、債券価格が下落。 前月比で円高が進行したため、円換算ベースでの外国債券指数も下落。
月末の米国長期金利は2.07%(前月末比▲0.04%)。

○国内株式934.53↓(前月比▲4.65%) 東証株価指数(配当込み)
国内株式市場は、欧州債務問題に対する懸念、円高とタイ洪水の影響等により業績下方修正。
オリンパスのコンポレートガバナンス問題も嫌気、軟調な展開。
リーマンショック以来の安値水準まで下落。
月末の日経平均株価は8,434.61円(前月末比▲6.16%)。

○外国株式1,026.77↓(前月比▲2.61%) MSCI-KOKUSAIインデックス(円ベース)
米国株式市場は、月初は欧州債務問題の影響が拡大、米国の財政赤字削減協議の決裂が嫌気
月末は、クリスマス商戦の好調、欧州での国債入札の順調により上昇。
月末のNYダウ平均は12,045.68ドル(前月末比+0.76%)。

○外国為替円/ドル相場77.63↓(前月比▲0.44%) 円/ユーロ相場104.50↓(前月比▲3.91%)
円/ドル相場は、10月末の円売り介入効果が徐々に剥落し、76円台まで円高が進む。
その後、欧州債務問題の拡大から主要通貨に対してドルが買われ78円前後まで円安に戻す。
円/ユーロ相場は、欧州債務問題に対する懸念が主要国まで拡大し、ユーロ安/円高基調で推移。 月末の円/ドル相場は77.63円(前月末比▲0.35円)。
月末の円/ユーロ相場は104.50円(前月末比▲4.26円)

金融機関レポートから引用

2011年12月27日火曜日

企業の海外依存度

■多国籍企業の海外依存度とグローバル化

1.グローバル化の捉え方
  「販売先のグローバル化」と「投資先のグローバル化」がある。
  米国オバマ政権は雇用確保の点から前者を推進。
  日本はいずれ雇用が増える予想から後者も推進。
  主要国において、
   対米輸出依存度は20-30%程度減少、
   対中輸出依存度は100%以上増加。

2.欧米多国籍企業の海外依存度
  この10年程度で倍増し、50%を超えている。
  外国人社員の割合も30%超。

3.欧米多国籍企業の海外依存度と長期目標
  新興国海外依存度や海外インフラをキーワードに長期的発展を明言。

4.米国企業の海外進出の判断基準
  進出しないリスク
  ・各国の年間購買力(購買力平価ベース):
    米国  14兆5,300億ドル
    中国  10兆1,200億ドル
    日本   4兆3,200億ドル
    インド  4兆1,000億ドル
    ロシア  2兆2,300億ドル
    ブラジル 2兆1,800億ドル
  ・成長率と株価
  ・競争・市場占有率
  ・戦術的理由
  ・リスク

5.日本企業の海外依存度の推移
 製造業の海外生産比率(売上高比率)は30.7%で大きな変動はなし。
 (経産省2009年度海外事業活動基本調査報告)

6.グローバル化とポジティブブランディング
 無形固定資産の活用
グローバル化が進めば大企業の本社がある国の色をさらに強める方向に作用する。製品は単に世界から部品を調達し同じものが作れるから。各社にとって、海外進出の最大の関心事は変化し、安価な資本と労働力の確保の目的は収束。経済的に影響力のある新しいアイデアを開発し実現していくという中核的な目的が主。今日の大企業が最大の関心を払い投資をしているのはいわゆる「無形資産」。この無形固定資産とは新たな商品や生産工程開発に結び付く知的財産だけでなくブランド構築、データベース、組織の新たな構造や運営手法、そうした無形資産を活かすことができる高度なスキルを持つ従業員育成と活用といったことも含まれる。」
(元クリントン大統領経済顧問 商務次官Robert Shapiro『2020年予想』)

◇参照
 日本貿易会 月報

2011年の半導体市場

米Gartnerが2011年の世界半導体市場の速報値に基づく見通しを発表した。


2011年の半導体市場は前年比0.9%増の3,020億ドル。
2011年初頭は、2010年からの受注残 があり好調だったものの、後半は世界経済の先行きが不安となり、消費者や政府は半導体への支出や投資を抑えた。また、2011年は自然災害にも見まわれ、 東日本大震災やタイの大洪水などが影響した。


売上高ランキングでは、Intelが20年連続1位の510億5,200万ドルで、シェア16.9%。2011年前半のPC需要や、 WestmereやNehalmeのサーバー向け製品が好調だった。Infineon Technologiesから買収したワイヤレス部門の売上、約14億ドルが含まれている。
2位はSamsungで、291億5,000万ドル。DRAMは苦戦したものの、NANDフラッシュは堅調に推移。また、ワイヤレスプロ セッサの売上が増えた。SamsungはAppleに、iPhone 4SやiPad 2に搭載されているA5プロセッサを供給している。
3位はTexas Instrumentsで、120億8,200万ドル。TIは第3四半期にNational Semiconductorを買収し、アナログ半導体を強化した。
4位は東芝、NANDは好調だったものの、液晶TV 向けロジックICの減少が影響した。
5位はルネサス エレクトロニクスで、成長率は5%だが、ルネサステクノロジの分を含めると成長率は7.9%減。
6位はQualcomm、同社のモデムはApple、HTC、RIMや Nokiaなどに採用され、スマートフォンの高成長で20%増の出荷となった。Atheros Communicationsを買収した。
 Intel 510億5200万ドル シェア16.9%
Samsung 291億5000万ドル
Texas Instruments 120億8200万ドル
東芝 116億9500万ドル
ルネサス 107億1400万ドル
Qualcomm 98億1900万ドル
STMicroelectronics 97億8000万ドルHynix Semiconductor 90億9000万ドル
Micron Technology 76億1800万ドル
Broadcom 70億9100万ドル
合計 3020億5100万ドル(24兆円程度)

◆今後の成長市場
IC Insightsが発表した資料によると、市場が2桁の成長率で拡大すると予測した製品分野は、自動車用アナログ半導体、通信分野向けの特定用途ICとマイコン、フラッシュメモリ、自動車用ロジック半導体とマイコン、ディスプレイドライバ、マイクロプロセッサ、PLD。

参照
 Impress、IC Insights、Gartner

2011年12月26日月曜日

エネルギー使用製品のエコデザイン on EU

EUでは、「エネルギー使用製品のエコデザインに関する指令(EuP指令)」に代わり、「エネルギー関連製品のエコデザイン指令(ErP指令2009/125/EC)」が2009/11/20に発効した。


目的は、エネルギー関連製品の製造に当たりEU加盟国に共通する環境配慮設計の要件を導入すること、さらにはこれら製品のエネルギー効率や環境保護水準を向上させることにある。

エコデザイン要求の対象製品を従来の「エネルギー使用製品」から 「エネルギー消費に影響を及ぼす製品」(Energy-related Products)にまで拡大させたのが特徴。例えば、洗濯機、冷蔵庫、ヘアドライヤなどのエネルギーを使用する製品から、窓、断熱材、シャ ワーヘッドや節水弁などの水を利用する製品のような直接エネルギーを使用しない製品にまで拡大されることになる。


日本でもLot7に対応したACアダプタ(ACDC)などが発売され始めている。

具体化されているものには、
・住宅用照明(100W以上の白熱電球など)を2009年9月1日から撤廃(EuP指令, Lot19)
・多くの電子・電気機器が適用される水平規則となる待機電力、オフモード電力(Lot6)
オフモードおよび/または待機モードが利用可能であることが要求。
電力消費量は、「オフモード」は1.00Wを超えてはならず、
「待機モード」は情報または状態表示のみを提供する、または再開機能と情報、
もしくは状態表示の組合せのみを提供する状態にある機器は2.00Wを超えてはならない。
2013年1月からはさらに50%削減です。
・外部電源(ACアダプター Lot7)
無負荷状態と外部電源供給の平均アクティブ効率による消費電力を規定。
外部電源の無負荷状態の電力消費量は、
定格電力が51W以下の場合は0.30W、51W以上の場合は0.50W。
・シンプルセットトップボクス(SSTB地上デジタル受信機器 Lot18)
SSTBにはスタンバイモードの設定、自動電源オフ機能または類似機能を備える必要。
例えば、テレビの電源を入れて放置していると3時間で自動的にオフモードにする要求。
スタンバイモードの電力消費量は1.00W、アクティブモードの電力消費量は5W。
スタンバイ状態の表示機能がある場合は、さらに1.00Wの割り当てがある。
2012年2月25日以降は、スタンバイモードの電力消費量が0.50Wに削減、
新たに搭載したハードディスクの電力消費量の割り当てがされるなど厳しくなる。

◆製品カテゴリ
Lot1:ボイラ
Lot2:温水器
Lot3:パソコン、モニタ
Lot4:コピー機、ファックス、プリンタ、スキャナ
Lot5:テレビ
Lot6:待機電力
Lot7:充電器、外部電源
Lot8:オフィス用照明
Lot9:街路灯
Lot10:エアコン
Lot11:モータ、サーキュレータ、ポンプ、ファン
Lot12:商業用冷蔵庫・冷凍庫
Lot13:家庭用冷蔵庫・冷凍庫
Lot14:家庭用食器洗い機・洗濯機
Lot15:暖房用固体燃料燃焼機器
Lot16:衣類乾燥機
Lot17:掃除機
Lot18:複合型セットトップボックス
Lot18a:簡易型セットトップボックス
Lot19:家庭用照明
Lot20:独立式室内暖房機器
Lot21:集中暖房システム(セントラルヒーティング)
Lot22:家庭用・商業用オーブン
Lot23:家庭用・商業用コンロ・グリル
Lot24:業務用洗濯機・乾燥機・食器洗い機
Lot25:コーヒーメーカ
Lot26:ネットワークスタンバイ・ロス(ネットワーク接続時待機電力)
Lot27:家庭用無停電電源装置(UPS)
Lot1:冷凍・冷蔵庫(陳列棚・ウォークインタイプ等)
Lot2:変圧器
Lot3:音響・映像機器
Lot4:産業用・研究施設用炉・オーブン
Lot5:工作機械
Lot6:エアコン、換気システム
Lot7:医療機器

2011年12月22日木曜日

光ファイバ無線

光ファイバ無線(Radio on Fiber、RoF)

メリットは、電波を届けにくかった地域に低コストで電波を届けられるようになる。

電波で送られた無線信号をアナログ変調して光信号の振幅情報に置き換え、光ファイバ上を伝送させる。受信側では光ファイバから得た光信号を電波に変換して、アンテナなどを使って配信する。
無線信号を有線で遠隔地に届けるにはデジタル変調する方法もあるが、光ファイバ無線はコストなどの面でメリットが ある。

従来は、CATVの幹線系などで用いられていたが、近年の電気/光変換器の性能向上や価格低下により、適用範囲が広がってきた。
テレビ放送や携帯電話の不感帯解消を目的に利用するケースも多い。
テレビ放送では放送局から受像機側への片方向の伝送になるが、携帯電話などの通信サービスを収容する場合は逆向きの設備も設置することで双方向の伝 送を行う。
設置が容易な光ファイバで無線信号を送れるため、携帯電話サービスをオフィスビルや地下街、地下鉄のトンネル内で利用できるようにするといった 用途に使われる。

HDDの保証期間

Seagate および Western Digital はハードディスクドライブの保証期間を短縮する方向のようだ。
おおむね2年ほどの短縮になる。例えばSeagateのthe Momentus XTは5年の期間保証されていたが、3年に短くなる。また数が多くでる通常性能のタイプは大幅に期間が短くなるようで、民生用に販売されているもので5年の保証期間だったものが1年に大幅短縮されるものもある。

理由はコンシューマAV用のHDDのものと保証期間を統一することで、会社としては性能UPに注力できる事とあるがどこまで本当なのだろうか。コストを削減する目的で保証期間を短くしているようにも見える。

ComputerWorldより

2011年12月21日水曜日

AT&T Tmobile買収 断念


AT&TがT-mobileの買収を断念したようだ。これによりAT&Tには40億ドルの賠償金が生じる。
AT&Tは競合するVerizonに対抗するため、ドイツテレコムからのT-mobileの買収を計画していた。

理由は
・スプリントや消費者団体からの、市場の寡占化などを懸念した反対の声
・米連邦政府や議会筋でも承認に慎重な姿勢を示す動き。
・米司法省(DOJ)が、買収差し止めを求めた訴えを連邦地裁に提出。
・米連邦通信委員会(FCC)が、企業買収の審査では異例の聴聞会を行う意向。

など企業による市場の寡占化を懸念したもの。
ユーザーにとって企業の統合による効率化・競争原理がどちらがメリットがあるのかと感じる境目なのだろう。

FIERCEMARKETSから引用