企業の海外依存度

■多国籍企業の海外依存度とグローバル化

1.グローバル化の捉え方
  「販売先のグローバル化」と「投資先のグローバル化」がある。
  米国オバマ政権は雇用確保の点から前者を推進。
  日本はいずれ雇用が増える予想から後者も推進。
  主要国において、
   対米輸出依存度は20-30%程度減少、
   対中輸出依存度は100%以上増加。

2.欧米多国籍企業の海外依存度
  この10年程度で倍増し、50%を超えている。
  外国人社員の割合も30%超。

3.欧米多国籍企業の海外依存度と長期目標
  新興国海外依存度や海外インフラをキーワードに長期的発展を明言。

4.米国企業の海外進出の判断基準
  進出しないリスク
  ・各国の年間購買力(購買力平価ベース):
    米国  14兆5,300億ドル
    中国  10兆1,200億ドル
    日本   4兆3,200億ドル
    インド  4兆1,000億ドル
    ロシア  2兆2,300億ドル
    ブラジル 2兆1,800億ドル
  ・成長率と株価
  ・競争・市場占有率
  ・戦術的理由
  ・リスク

5.日本企業の海外依存度の推移
 製造業の海外生産比率(売上高比率)は30.7%で大きな変動はなし。
 (経産省2009年度海外事業活動基本調査報告)

6.グローバル化とポジティブブランディング
 無形固定資産の活用
グローバル化が進めば大企業の本社がある国の色をさらに強める方向に作用する。製品は単に世界から部品を調達し同じものが作れるから。各社にとって、海外進出の最大の関心事は変化し、安価な資本と労働力の確保の目的は収束。経済的に影響力のある新しいアイデアを開発し実現していくという中核的な目的が主。今日の大企業が最大の関心を払い投資をしているのはいわゆる「無形資産」。この無形固定資産とは新たな商品や生産工程開発に結び付く知的財産だけでなくブランド構築、データベース、組織の新たな構造や運営手法、そうした無形資産を活かすことができる高度なスキルを持つ従業員育成と活用といったことも含まれる。」
(元クリントン大統領経済顧問 商務次官Robert Shapiro『2020年予想』)

◇参照
 日本貿易会 月報

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