家電製品の新興国シフト/国内拠点への影響/競争力強化

◆現状と課題
・新興国市場を攻略するためには、
設計の共通化等の効率的な生産体制の確立やニーズを踏まえたものづくりが求められる。
・家電産業の競争力強化の観点からは不十分である。なぜなら、電気製品の多くは貿易特化係数による分析から輸入特化しており、製品ライフサイクル上は全体的に成熟化しつつある。製品の成熟化が進むと、価格面以外の他社との差別化が困難になりコモディティ化に陥る。
・競争力強化の実現のためには、国内の設計開発拠点において脱成熟化を図る新製品の開発を進める必要がある。
・国内の設計開発拠点のあり方を考える上では、日本が既にキャッチアップ段階を終えてフロンティア段階に入っていることに留意する必要がある。

◆データ
小売販売額 「商業統計」
1985年を100とすると、小売全体は192%、家電は132%

貿易特化係数(輸出額-輸入額)/(輸出額+輸入額) 「貿易統計」
1990年は全てのもので+になっていたが、2009年でデジカメ以外マイナス

海外販売比率 「海外事業活動基本調査」
北米向け減少し、中国向け増加
1996年  2008年
現地販売額  8兆円  9兆円
第3国向け  5兆円  5兆円
日本向け輸出 2兆円  5兆円

◆海外生産動向
東芝もエジプトに生産量100万台規模の新工場を建設
パナソニックがインドやブラジルで新工場を立地
ソニーの例にあるように、ファブレス化やアセットライト化が進む

◆解決すべき課題
「脱成熟化」        :新たな製品コンセプトと高度な技術の魅力的な新製品開発
「リバース・イノベーション」:新興国での商品→先進国向けにカスタマイズ
「グローカル戦略」     :先進国での商品→新興国向けにカスタマイズ

◆国家戦略
企業アンケート調査-産業競争力を強化する有効な施策は?
「法人税減税」「為替政策」「FTA、EPA、TPP 」「高度な国内人材を育成する教育政策」

参考:ヘンダーソンとクラーク(Rebecca M.Henderson and Kim B Clark)
クリステンセン(Clayton M.Christensen)

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