JTのM&A

日本企業の課題の一つ。海外進出に関して。

◆背景
経済発展著しい新興国への進出は、
日本企業にとって重要な成長戦略のひとつ。
しかし、法規制や商慣行の違いなどハードルは高く、自力進出よりも既に高い
地位を築き上げた企業を買収することで、間接的に当該国に進出する戦略が有効。
 
◆JTの例
1984年 自前で海外進出
1985年 専売制廃止 海外販売本数20億本
1991年 海外販売本数100億本
1992年 Manchester TobaccoCompany(イギリス)を買収
199X年 自律的成長限界
1998年 海外売上高比率7.4%
1999年 アメリカのRJRIを買収(9,400億円)     約10倍の海外市場における販売本数を獲得
2007年 イギリスのGallaherを買収(1兆7,800億円) 海外たばこ事業の大幅な利益増加を実現
2009年 Hail&Cotton社及びJ.E.B社(アメリカ)とジョイントベンチャーを設立(JTI LS社)
2009年 Kannenberg社及びKBH&C社(ブラジル)買収
2009年 Tribac社(イギリス)買収
2010年 世界第3位のたばこメーカー。
    海外市場向け販売本数 4,284億本(76.2%/総販売本数)
    海外たばこ事業のEBITDA:2,498億円(940億円/2006年)
    国内たばこ事業のEBITDA:2,576億円(3,057億円/2006年)

◆成功の秘訣
・経験値の向上
 買収・統合を重ね、そのスケールを拡大させていったことによる経験値の向上
・戦略的投資を重視する経営方針への転換
 パッケージの配色やデザインの統一などのブランド構築のための大規模なマーケティング投資
・徹底した事前準備による統合施策の推進
 「モチベーションの維持・向上」:従業員に対する個別面談を行い、給与・賞与体系の統一化
 「シンプル・明確なコミュニケーション」:社員用語の統一を実施し、分かりやすさを重視
 「スピード重視」:80/20ルール。権限委譲
・80/20ルール
 あらゆる事案について、細部に捉われ過ぎることなく、一定程度の完成度で前進
・権限委譲による現地主義の徹底
 統合施策の実施に必要な親会社の権限は一時的に一部委譲し、現地中心に意思決定

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