ウクライナで衝突、38人が死亡

【ドネツク】ウクライナ南部オデッサ
2日、親欧州路線のウクライナ暫定政府の支持者(ウクライナ政権支持派)と、親ロシア派住民とが衝突。
労働組合の建物で火災が発生し、38人が死亡。インタファクス通信が内務省の発表として報じた。英BBCは暫定政府の内務省の発表に基づき、火災だけで少なくとも31人が犠牲になり、火災以外の衝突でも3人が死亡したと伝えた。
30人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡、8人は建物から飛び降りて死亡したという。
放火の可能性が指摘されている。同市内では、火災発生前に双方のデモ隊の衝突が起きていた。

ウクライナ東部の混乱が南部にも本格的に波及した。

オデッサでは、親露派武装集団によるウクライナ東部の行政府庁舎占拠の動きに触発され、4月中旬に親露派が「オデッサ人民共和国」の設立をインターネットのサイトで宣言するなど情勢が不安定化していた。


○ウクライナ(2006年3月27日)1991年に旧ソ連からの独立を宣言。人口約4600万人。ロシアと東欧諸国の間に位置し、面積は日本の約1・6倍。2004年11月の大統領選決選投票で親欧米派ユーシェンコ氏の野党側が、当時首相だった親ロシア派ヤヌコビッチ氏側の不正を指摘し抗議行動を展開。同年12月のやり直し決選投票でユーシェンコ氏が勝利、野党のシンボルカラーにちなみ「オレンジ革命」と呼ばれた。ユーシェンコ政権は欧州連合や北大西洋条約機構への加盟を掲げ、ロシアとは天然ガス価格紛争など外交摩擦が目立つ。

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