産経ニュースより
■概要
大腸がんの患者は年々増加しており、がんの部位別死亡率で、女性は平成15年の人口動態統計で胃がんを上回って1位となり、23年の統計でも1位を維持、男性も3位と多い。
この増加の背景について「ハンバーガーや焼き肉、ピザといった肉や乳製品中心の食の欧米化が関係している」とみている。グラフでは、大腸がんの増加に比例するように肉の年間消費量が、昭和40年の1人当たり9・2キロだったのに対し、平成23年は29・6キロと約45年間で3倍以上増えている(農林水産省の食料需給表)。
■原因
大腸がんは欧米人に多く、ハワイに移住した日本人の発症率も高くなっているデータがある。これらのことなどから、多くの研究者は日本で大腸がんが増えている背景には食の欧米化が影響していると指摘する。欧米風の高脂肪・低残渣食(ていざんさしょく=食物繊維が少ないものを食べる)が原因である。動物性脂肪を取ると、胆汁の分泌が増え、多量の胆汁酸が腸の中に流れ込み、代謝された胆汁酸は発がんを促すと考えられています。また、食物繊維が足りないと便秘しやすくなり、大腸粘膜が発がん物質に長時間さらされることになります。動物性の脂肪は控え、食物繊維を多く含む海草や豆類などを多く取ることが大切です。
■方法
「食物繊維が不足すると便秘しやすくなる。便などの老廃物が大腸に長く滞留すれば、接する部分のがん化リスクが増えてくる」と指摘する。食物繊維は、排出促進によるがんのリスク軽減がある。
松生医師は大腸がんが少ない南イタリアやスペイン、ギリシャといった地中海周辺地域に注目し、魚中心の料理は和食と共通するが、オリーブ油をふんだんに使っていることを指摘する。「日本でもサラダで使っている人は多いでしょう。魚料理や納豆などにもオリーブ油を大胆に使ってみる方法がある」と推奨する。また、コメやパンなどの炭水化物を取らずに体重を減らす糖質制限ダイエットについては「食物繊維を多く含む穀類の摂取が減るのでやめた方がいい」と警告する。
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