経済 12/9

○10月の国際収支、9か月ぶり赤字…円安響く
 財務省が9日発表した10月の国際収支によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引を示す経常収支は1279億円の赤字だった。

 経常赤字となるのは今年1月以来、9か月ぶり。円安によりドルで取引される燃料の輸入額が増え、モノの取引を示す貿易収支が1兆919億円の赤字だったことが影響した。

 貿易赤字は10月としては比較可能な1985年以降、最大。前月までは、貿易収支の赤字を企業が海外子会社から受け取る配当金など所得収支の黒字で穴埋めする構図が続いていたが、10月は貿易赤字が所得収支の黒字を大きく上回った。

 貿易赤字は前年同月比6406億円拡大した。赤字は2012年7月以来、16か月連続。自動車や軽油などの輸出が増えたものの、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や原油の輸入がかさんだ。輸入は前年同月比1兆5243億円増の6兆9251億円、輸出は同8837億円増の5兆8332億円だった。


○7~9月期のGDP改定値は下方修正 年率換算1.9%増から1.1%増に
 内閣府は9日、7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値を発表した。物価変動の影響を除いた実質GDPは、4~6月期に比べ、0・3%増となり、先月14日に発表された速報値の0.5%増から縮小した。年率換算でみると、速報値の1.9%が1・1%へと縮小された。

 下方修正の大きな要因は、速報値公表段階よりも設備投資の伸びが縮小したため。速報値では0・2%増だったが、今回の改定では前期比横ばいとなった。

 住宅も2.7%増から2.6%増にやや圧縮。内需全体で0.9%増から0.7%増に下方修正された。

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