IBM THINK Forum Japan 2012

IBM THINK Forum Japan 2012

日本法人設立75周年を記念して行われた講演セッション。
日本企業トップ300名に向けたもの。

テーマ:「すべてのシステムは、未来に進んでいかないといけない」

▼サミュエル・パルミサーノ氏 米IBM会長

 経営者としてのテーマ=「日々の業務を管理しつつ、未来を成功させるにはどうするか?」
 リーダーがすべきことと=「成功にしがみつくのではなく、あえてやめること」

同氏の講演では経営者に対する5つの問いが投げかけられていた。

○1:「組織の永続性」
企業は、アイデンティティや価値観、信念が重要。IBMでは、創業時期からそれを確立し、その後の社員が制度化していったプロセスがある。

○2:「関係者のバランス」
ステークホルダーのバランスをとるために妥協するのではなく「交差点を見出す」。

○3:「コモデティ化への対応
現在、多くの日本企業が直面する課題。氏の回答は「新しい領域を作り、そこに入っていくこと」。新しいことを始めると同時に、別の事業をやめねばならない。つまり、新しいものを得るには捨てるものがある。同社がパソコン事業を売却したことを振り返り、「中核ではな いと気が付いた時点で撤退した。批判はあったが正解だった」とした。これがIBMの利益の高さを支えている思想だ。

○4:「企業とその所在地」
強調して「日本にとって重要」と表現。
グローバルビジネスにとって、企業の発祥場所に、どのような意味があるのか?「どこの国の企業か」ということよりも、「その地域で固有の価値を提供できるか」が重要だとする。

○5:「長期的な経営」
株式の保有期間やCEOの就任期間が短期化しているが「世界中の多くのリーダーが、長期的に物事を見る方向に変わっている」「リーダーは、どこに向かっているのか、毎日言い聞かせないといけない。方向性が見えていれば、社員はついてくる」。


▼バージニア・ロメッティ氏 2012年1月にCEO職に就任。

 「新しいコンピューティングの時代の進捗は、リーダーがリーダーの在り方を変えることで下支えされる」

氏は講演の中で、コンピューティングの時代を分類。現在を第3のコンピューティング時代とする。

3番目の時代は「システムが自ら学習するコンピューティング」であり、こうした自律学習型コンピューティングには切迫したニーズがある。

○第1のニーズ:「データの爆発的な増加
ネットにつながるコンピュータが急増し、大量のデータが生み出されるようになった。

○第2のニーズ:「確実性への要求の高まり」
大量のデータから、その意味を解釈・活用するニーズが高まっている。
その先駆けとして挙げたのが、クイズ王に勝利した質問応答(QA)システム「Watson」。Watsonは医療分野への応用も進んでおり、今後は個々の患者に応じた治療を受けられる「個別化医療」が進むとの見通しを示した。実例として、武蔵野赤十字病院では成果を挙げている。この他、米国の銀行、デンマークの風力発電企業を挙げ、新しい時代においては「技術がフロントエンドに登場」することで、仕事や生活の仕方が変わるとした。

○第3のニーズ:「世界中のリーダーたちが、自分たちの役割を刷新しようとしている」
例として、ブラジルのリオデジャネイロ市長がオペレーションセンターを活用して、災害から市民を避難させる仕組みを導入した。自律型コンピューティングによって、リーダーの意思決定が変わった。


各Webサイトより

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