『座右の古典』 鎌田浩毅 東洋経済

古典書の案内書。
各書籍の内容について、ポイント、重要な1フレーズ、要約、氏の体験を踏まえた感想。
が書かれている。

ポイントと全体像が初段で示されているので本のイメージが掴みやすい。

最も読んでみたいと思ったのは、『知的生活』。
フィリップ・ハマトンの著作だが、人生を知的に豊かに過ごすための考え方が記載されている。知識だけでなく、品性の備わった生き方のための指南書である。
よく「イタリア人は休むために働き、ドイツ人は働くために休む」というが、その世界観の違いは、働くという意味を2つに分ける事で理解できるという。

それはJobとWorkの違い。Jobは稼ぎのための、Workは貢献というはたらきだ。考えの貧しさはお金の貧しさに比例する。かせぎは知的生活のために必要だが、それだけでは貧しい人生。はたらきとのバランスをとる事が知的生活のベースとなる。かせぎを知的生活のために投資することで生きた生活になる。神谷美恵子『生きがいについて』なども参考。

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○1章 Lifeー生き方の知恵
『論語』孔子
『幸福論』ヒルティ
『時間と自由』ベルクソン
『荘子』荘周
『自助論』スマイルズ
『生きがいについて』神谷美恵子

○2章 Essenceー人間の本質
『ソクラテスの弁明』プラトン
『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ
『人間性の心理学』マズロー
『ミケランジェロの生涯』ロマン・ロラン
『神曲』ダンテ
『大衆の反逆』オルテガ

○3章 Learningー学びの技術
『風姿花伝』世阿弥
『知的生活』ハマトン
『春宵十話』岡潔
『職業としての学問』マックス・ウェーバー
『学問のすすめ』福沢諭吉
『民主主義と教育』デューイ
『学問芸術論』ルソー

○4章 Ideaー発想の湧出
『方法序説』デカルト
『野生の思考』レヴィ=ストロース
『サイバネティックス』ウィーナー
『陰翳礼賛』谷崎潤一郎
『プラグマティズム』ウィリアム・ジェイムズ
『からだの知恵』キャノン
『風邪の効用』野口晴哉

○5章 Relationー人間関係の構築
『ゲーテとの対話』エッカーマン
『人生の意味の心理学』アドラー
『フランクリン自伝』フランクリン
『「いき」の構造』九鬼周造
『幸福論』バートランド・ラッセル
『メディア論』マクルーハン

○6章 Willー志の堅持
『新科学対話』ガリレイ
『コモン・センス』トーマス・ペイン
『コロンブス航海誌』コロンブス
『古代への情熱』シュリーマン
『自省録』マルクス・アウレリウス
『バガヴァット・ギーター』ヒンドゥー教聖典
『人生論』トルストイ

○第7章 Leaderーリーダーの条件
『第二次大戦回顧録 抄』チャーチル
『孫子』孫武
『藁のハンドル』ヘンリー・フォード
『ローマ帝国衰亡史』ギボン
『君主論』マキアヴェリ
『ジュリアス・シーザー』シェイクスピア
『韓非子』韓非

○8章 Readerー読書の愉快
『啓蒙とは何か』カント
『イタリア・ルネッサンスの文化』プルクハルト
『森の生活』ソロー
『読書について』ショウペンハウエル

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