『イノベーションのジレンマ』 クレイトン・クリステンセン 翔泳社


優良企業滅びるとき。その論理は、破壊的技術と合理的な投資は矛盾するためである。
本書では、HDDなどの事例研究から、巨大・優良企業が滅びる時の仕組みを論じている。
そのキーワードは破壊的技術と合理的な投資である。

破壊的技術で拓く市場は、
  • 低価格・利益率が低い
  • 市場が小さい。その市場や予測不可能
  • 収益性の高い顧客は当初使えない。
一方で、優良企業の合理的投資
  • 顧客のために耳を傾ける
  • 顧客から求められるものを提供する技術に投資する
  • 利益率の向上を目指す。
これはつまり、巨大・優良企業がその発展のための合理的投資(安定的成長)に矛盾する市場である。そのため、巨大企業・組織は新しい市場、破壊的技術を タイミングよく取り入れる事ができず、市場から撤退するに至る。新しい市場では利益構造の転換がはかられ、市場の価値基準が変換しているからである。その 先行者利益は大きい。

   しかし、ここに成功を導こうとするための方法はある。

組織の力は、
 資源 ー プロセス ー 価値基準
できまる。この内、資源は比較的変化させやすい。しかし、プロセスや価値基準は変化させにくい。そこには既存の市場にあわせて超効率化された組織があるか らだ。それは逆に言うと、その組織を違った形で作れば良い事になる。スモールグループによるスモールビジネスのスタート。それが巨大組織が残っていくため のキーワードである。そしてその組織を起点として新しい市場を見逃してはならない。

▼HDD市場
サイズ  :技術
14インチ :面積あたりの容量

8インチ  :ミニコン市場への導入、標準部品化。
↓     プライアム、シュガード、マイクロポリス

5.25インチ:デスクトップ市場への導入。サイズが重要。
↓     シーゲート、ミニスクライブ、コンピュータメモリーズ

3.5インチ :小型パソコンへの導入。小型・省電力・軽量。
↓     ロダイム、コナー、マクスター、ウェスタンデジタル

2.5インチ :

1.8インチ

コメント