ポール・エイドリアン・モーリス・ディラック

1902年8月8日・ブリストル - 1984年10月20日
・イギリスの理論物理学者、ケンブリッジ大学のルーカス教授職、フロリダ州立大学教授
・量子力学及び量子電磁気学の基礎づけについて貢献。
・1933年にシュレーディンガーと共にノーベル物理学賞を受賞している。

1925年 ハイゼンベルクによる量子力学の定式化(行列力学) ⇒ 量子力学での力学変数の間の交換子と古典力学でのポアッソン括弧の関係を見出した。量子力学ではポアソン括弧は正準量子化の手続きによって、正準交換関係と対応付けられる。

1926年 シュレーディンガーによって提案されていた波動力学と行列力学との間の等価性を、シュレーディンガーと独立に証明した。また、パウリの排他律を満す粒子の統計力学(フェルミ・ディラック統計)をフェルミと独立に考察した。

1928年 電子の相対論的な量子力学を記述する方程式としてディラック方程式を考案した。この方程式から導かれる電子の負エネルギー状態についていわゆるディラックの海と呼ばれる解釈を提案した。この解釈では電子の電荷と符号が逆で大きさは同じ電荷を持ち、電子と同じ質量を持つ粒子(反粒子)の存在が予言される。(陽電子)

「ディラックのデルタ関数」と呼ばれるδ関数は、数学における超関数理論へと発展し、ディラック方程式においてはスピノールなど新しい数学的概念を生み出した。

『一般相対性理論』 江沢洋訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉
『ディラック現代物理学講義』 岡村浩訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉
『ヒルベルト空間のスピノル』 喜多秀次訳、吉岡書店〈物理学叢書52〉
『量子力学』 朝永振一郎など共訳、岩波書店

Wikipediaなどより引用

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