キリスト教以前

ゾロアスター教とユダヤ教、キリスト教の関係。
ゾロアスター教は、善と悪の二元論を特徴とするが、善の勝利と優位が確定されている宗教である。一般に「世界最古の一神教」と言われることもあるが、これは正しくはない。ゾロアスター教の中では、アムシャ・スプンタなど多くの神々が登場する。開祖はザラスシュトラ（ゾロアスター、ツァラトゥストラ）である。その根本教典より、アヴェスターの宗教であるともいえ、イラン古代の宗教的伝統の上に立って、ザラスシュトラが合理化したものと考えられる。

光の象徴としての純粋な「火」を尊んだため、拝火教（はいかきょう）とも呼ばれ、またFy教（けんきょう）ともいう。他称としてはさらに、アフラ・マズダーを信仰するところからマズダー教の呼称がある。ただしアケメネス朝の宗教をゾロアスター教ではないとする立場（たとえばエミール・バンヴェニスト）からすると、ゾロアスター教はマズダー教の一種である。パーシ（パールシー）教徒とも呼ばれる。

世界を２分したゾロアスター教。
ゾロアスター教は紀元前７・６世紀頃にザラスシュトラが布教した宗教。その聖典『アヴェスター』には、「世界のすべての物は善と悪の二つの勢力に分かれ、その対立する二つの勢力の闘争として世界をとらえて、最終的に光の軍団が悪の軍団に勝利する」と説かれている。すなわち初めて世界を２つの対立軸による見方を提示したのがザラスシュトラだった。
光と闇だけでなく、善と悪、天国と地獄、神と悪魔という風に世界をことごとく二つの価値にわけていった。
紀元前６世紀頃といえば、哲人ピタゴラスが活躍した時期。かれは実際にもザラスシュトラのところに会いにいったと思われる。
善悪二元論や最後の審判などの本質的に救済宗教としてのテーゼを持った。至高の善の神としてのアフラ・マズダーや天使・聖霊たちのイメージはアケメネス朝ペルシャのオリエント統一によって、当時バビロニアへの移住を強制されていたユダヤ人たちの宗教に影響を与えたと考えられています。また、最終戦争、救世主、と言った思想もユダヤ教、キリスト教、イスラームの黙示文学にその影響を色濃く残しています。

キリストの歴史をみると、歴史はファラオ・アメンホテプ4世の時代にまで遡る。
紀元前14世紀ごろアメンホテプ4世がファラオに即位した。頭に変形があったこのファラオは八百万の神信仰であったエジプト宗教を改革した。しかし、その治世は２０年しか続かなかった。次に即位したツタンカーメンによって当時の民はエジプトの地を追い出される。彼らを率いたのがモーセだ。

「モーセの出エジプト→約束の地カナーン→ダビデ・ソロモンの登場→予言者たちの言葉→ヘブライズムによる編集→ヘレニズムでの転換→コイネーによるモーセ５書の成立→ハスモン家の分裂→エッセネ派の自立→クムラン宗団→イエスの死刑→パウロの手紙編集→オリゲネス→教会・教父→ベネディクトゥス修道院→薔薇の名前」

モーセが出エジプトを敢行したのは、およそ紀元前１２５０年前後。