2010.11.22の産経ニュースより。
大阪府は、第2庁舎になった55階建ての咲洲庁舎(大阪市住之江区、旧WTCビル)への部局移転を11月27日から本格化させる。だが、職員たちの引っ越し作業はどことなくスローペース。2カ月以上移転が遅れる見通しのほか、37階に設置される知事の執務スペースのレイアウトもまだ固まっていない。「大阪都の都庁は咲洲庁舎しかない」と、来春の統一地方選後の全面移転に執念を燃やす橋下徹知事だが、スローな展開に「行きたくない」というのが職員らの本音。
6月に府施設に繰り入れられた咲洲庁舎では、7月に大阪府と大阪市の連携チームが入居。隣接するATCビルなどに引っ越す予定の市部局も一部残っているなか、府では移転に備え、配線工事や机などの搬入作業を進めている。
11月27日に引っ越すのは、総務部財産活用課(約50人)。これに、府民文化部、人事委員会事務局などが続き、全体で段ボール計約6万箱分の荷物が運び込まれる予定。咲洲庁舎は本庁舎から約10キロ離れているため、テレビ会議システムも整備される。引っ越し費用の総額は約17億円かかる見通し。
一方、今回の引っ越しのメインとなる部局などが入っていた8カ所の民間ビルの借り上げは、移転に時間がかかる府税関係部署を除いて来年度までにすべて解約。年6億円の賃料負担が削減される見通し。
ただ、実際の引っ越し作業は遅れがち。府では当初、今回計画している全職員の4割(約2千人)の移転を年度内に終える方針だったが、12月に予定していた大阪マラソン事務局(12人)はパンフレット作製、配布などの繁忙期と重なることから2月に延期。
3月に予定していた住宅まちづくり部建築振興課(52人)は「窓口業務を行っており、膨大な書類の運搬・整理に長期連休が必要」と、ゴールデンウイークまで移転しない見通しになった。
また、咲洲庁舎37階には「特別職執務スペース」として知事、副知事の執務場所が確保される予定だが、「知事がどの程度咲洲庁舎で執務するか分からない」(庁舎管理課)として現在、レイアウトは未定。担当者は「今年度の引っ越し作業完了までには完成させないといけないが、統一地方選挙もあるし…」と話す。
一方、引っ越しが目前に迫ってもなお「本音では誰も行きたくない」と話す府職員も少なくない。未利用地が広がり、企業転出も相次ぐ咲洲庁舎周辺の現状を改めて知ったという府幹部の一人は「周囲は衰退一方という感じで、現状を知れば知るほどため息ばかり出る」と漏らした。
■旧WTC
咲洲庁舎 大阪市の第三セクターが1995年に約1200億円をかけて建設した55階建ての旧大阪ワールドトレードセンタービル(WTC)で、2004年に経営破(は)綻(たん)。橋下徹知事は2008年、WTCへの庁舎移転を表明したが府議会は移転条例案を2度否決。一方で、約85億円の土地と建物購入予算案は可決した。2011年6月に府に所有権が移り、第2庁舎として7月から府市連携チームが入居。橋下知事は「都構想と庁舎移転はワンセット」と、来春の統一地方選後にも全面移転を目指す意向だが、現庁舎周辺のまちづくり計画は移転問題がネックとなり、素案づくりも難航している。
大阪府は、第2庁舎になった55階建ての咲洲庁舎(大阪市住之江区、旧WTCビル)への部局移転を11月27日から本格化させる。だが、職員たちの引っ越し作業はどことなくスローペース。2カ月以上移転が遅れる見通しのほか、37階に設置される知事の執務スペースのレイアウトもまだ固まっていない。「大阪都の都庁は咲洲庁舎しかない」と、来春の統一地方選後の全面移転に執念を燃やす橋下徹知事だが、スローな展開に「行きたくない」というのが職員らの本音。
6月に府施設に繰り入れられた咲洲庁舎では、7月に大阪府と大阪市の連携チームが入居。隣接するATCビルなどに引っ越す予定の市部局も一部残っているなか、府では移転に備え、配線工事や机などの搬入作業を進めている。
11月27日に引っ越すのは、総務部財産活用課(約50人)。これに、府民文化部、人事委員会事務局などが続き、全体で段ボール計約6万箱分の荷物が運び込まれる予定。咲洲庁舎は本庁舎から約10キロ離れているため、テレビ会議システムも整備される。引っ越し費用の総額は約17億円かかる見通し。
一方、今回の引っ越しのメインとなる部局などが入っていた8カ所の民間ビルの借り上げは、移転に時間がかかる府税関係部署を除いて来年度までにすべて解約。年6億円の賃料負担が削減される見通し。
ただ、実際の引っ越し作業は遅れがち。府では当初、今回計画している全職員の4割(約2千人)の移転を年度内に終える方針だったが、12月に予定していた大阪マラソン事務局(12人)はパンフレット作製、配布などの繁忙期と重なることから2月に延期。
3月に予定していた住宅まちづくり部建築振興課(52人)は「窓口業務を行っており、膨大な書類の運搬・整理に長期連休が必要」と、ゴールデンウイークまで移転しない見通しになった。
また、咲洲庁舎37階には「特別職執務スペース」として知事、副知事の執務場所が確保される予定だが、「知事がどの程度咲洲庁舎で執務するか分からない」(庁舎管理課)として現在、レイアウトは未定。担当者は「今年度の引っ越し作業完了までには完成させないといけないが、統一地方選挙もあるし…」と話す。
一方、引っ越しが目前に迫ってもなお「本音では誰も行きたくない」と話す府職員も少なくない。未利用地が広がり、企業転出も相次ぐ咲洲庁舎周辺の現状を改めて知ったという府幹部の一人は「周囲は衰退一方という感じで、現状を知れば知るほどため息ばかり出る」と漏らした。
■旧WTC
咲洲庁舎 大阪市の第三セクターが1995年に約1200億円をかけて建設した55階建ての旧大阪ワールドトレードセンタービル(WTC)で、2004年に経営破(は)綻(たん)。橋下徹知事は2008年、WTCへの庁舎移転を表明したが府議会は移転条例案を2度否決。一方で、約85億円の土地と建物購入予算案は可決した。2011年6月に府に所有権が移り、第2庁舎として7月から府市連携チームが入居。橋下知事は「都構想と庁舎移転はワンセット」と、来春の統一地方選後にも全面移転を目指す意向だが、現庁舎周辺のまちづくり計画は移転問題がネックとなり、素案づくりも難航している。
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