主に家庭内LANなどのIPネットワーク内で、著作権保護技術(DRM)により保護されたコンテンツを伝送するための技術規格。IEEE 1394などの通信規格において実装されていた著作権保護技術であるDTCP(Digital Transmission Content Protection)をIPネットワークに適用したものである。
DTCP-IPは、コンテンツを暗号化してIPネットワーク上に送信することで、パケットの盗聴によるコンテンツの不正なコピーを防ぐ。またコンテンツが家庭内LANからインターネットなどの外部のネットワークへ流出することを防ぐことでコンテンツの著作権を保護する。
現在、デジタルデータの著作権保護技術(DRM)として、ソニーのOpenMGやMicrosoft社のWindows Media DRMなど多数のものがあるが、これらは各社が独自に開発したものであり、各技術の間の互換性がない。このため、例えばある企業のDRM技術により著作権保護された音楽ファイルを、家庭内LAN内の別の企業の開発したデジタルオーディオ機器に転送して再生するということができない。
DTCP-IPでは、各企業の開発したDRM技術の差異を吸収し、家庭内LANでの著作権保護コンテンツの共有を可能にすることができる。これはコンテンツをダウンロードした時点で各社固有のDRMによる暗号化をDTCP-IPによる暗号化に変換し、家庭内LANにあるDTCP-IP対応のデジタル機器に配信することで実現される。
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