病院の歴史

語源
元々「Hospital」という言葉は「傷病者や病人の収容施設」という意味合いの言葉でhotelと語源を同じくする。日本では明治以降、この「Hospital」という言葉に対する訳語として「病院」という言葉が当てられたというのが一般的である。一方、外国における「Hospital」は、老人ホーム、養老院、孤児院の意味でも使用される。

歴史
キリスト教の修道女・修道士が神に仕えるために病人を集めて日常生活上の世話をしたのが始まりとされ、看護活動の原点でもある。
近代までは病院とは殆ど治療の場というより、感染症患者や精神病患者を隔離する、或いは貧しい患者に食事とベッドを提供すると言う役割の方が大きかった。そのため貧困層向けの病棟は常に定員オーバーであり、一つのベッドを数人が共有すると言う、現在では考えられないことも行われていた。
これに対し裕福な層は自宅で療養し、医師の往診を受け、メイドによる介護を受けていた。これと同等に近い環境を目指し、治癒を目的とした病院を提唱したのがフローレンス・ナイチンゲールである。彼女の提唱したナイチンゲール病棟は、二十数人程度の患者を一つの看護単位とし、限られた看護師しかいない状況でも出来るだけ手厚い看護と治療を受けられるようにしたものである。
20世紀に入ると、病院もモダニズム建築の影響を受ける。20世紀前半には、学校や拘置所・刑務所と言った施設と同じような設計思想で作られていた。すなわち採光を良くする為に細長いフロアで中廊下型が多く、病室と並ぶ形でナースステーションが存在した。
20世紀も後半に入ると、アメリカ合衆国を中心に、病院に特化した設計思想が生まれてくる。ナースステーションから各病室への距離を縮めるためにフロアの中心に置き、さらにフロアの形状も円形や三角形、多角形などとして動線が工夫された。全室を個室や2人部屋以下とするのも、一つには動線の短縮のためである。

日本
日本で最初の病院と言われているのは、1557年に医師でもあったポルトガルの宣教師ルイス・デ・アルメイダによって大分県に開設されたものであると言わ れ、外科、内科、ハンセン病科を備えていた。これが西洋医学が初めて導入された場所とも言われている。
日本でモダニズム建築の設計思想が取り入れられ始めたのは1990年代からであるが、現在では大学病院などの改築の際には殆どこの設計思想が取り入れられている。
日本では医療法上、一定規模以上の医療機関を病院といい、小規模のものは診療所として病院との呼称を使えないことになっている。ただし、医療を施す場所との意味合いから、病院・診療所を問わず医院と称することもある。
近年、日本では医療の普及の影響もあり、病院で一生の最期を終える人が増えてきている。また、人間が生まれる(出産)場も殆どの場合病院・産院である。

診療報酬の改訂による諸問題
    2006年に行われた診療報酬改定により、従来の看護配置基準以外に、7:1看護配置基準の枠が設けられた。その上で7:1看護配置基準を満たせない病院においては、診療報酬が大幅に引き下げられた。そのため、目標とする看護師数を確保できず、病床数を減らし診療報酬基準を満たそうとする病院や、経営状態が悪化し倒産に追い込まれる病院が増えている。その一方で、大阪府内の病院に於いて、所得隠しを行って経費を過大計上した上に、捻出した金で医師や看護師を他病院から引き抜いていた事例が発覚しており、病院経営を巡るモラルやコンプライアンス意識が問題視されている。

 中国
受診には一般、緊急患者を問わず前金を支払う必要があり、支払わない場合受診ができない。また、医者への賄賂も横行している。料金の支払いには、城鎮基本医療保険加入者であれば医療保険カードが使用できる。

日本には財団法人日本医療機能評価機構によるものがあって病院を評価しているらしい。
認定病院数2574/全病院数8766

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