結婚

結婚とは、主に男女が夫婦になること。婚姻、契りともいう。
・社会的結びつき
・経済的結びつき
・人間的結びつき
・法的正当性
などの要素によって定義される。日本においては、婚姻届を出し戸籍に記載される婚姻を結婚と定義するのが一般的になっている。フランスにおいては、結婚は契約として解される。そのため、契約書を取り交わす必要があり、挙式だけでは法的に結婚を行ったとは認められない。これらは「<strong>契約</strong>」という考え方に縛られており、広辞苑によると「夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子が嫡出子として認められる関係」といえる。

その由来を宗教に求めてみると、
キリスト教では、宗派によって異なるが、基本的には結婚は<strong>秘密</strong>事項(正教会:機密、 カトリック教会では秘跡)として扱われ、信徒同士でのみ行われる事が多いが、カトリックではその傾向が少し緩い。また離婚に対しては厳しい罰則や再婚の禁止が盛り込まれている。また結婚すると聖職を追われる場合もある(東方典礼)。ただし、結婚禁止になったのは11世紀のグレゴリウス改革以降のことらしい。
イスラームでは婚姻は戒律により契約として処理されている。男性は女性に婚資金を支払い、結婚する。離婚可能。離婚・死別のどちらでも男女とも再婚可能。非婚での性行為が戒律上、認められていないため、初婚のさいには、男性は童貞、女性は処女であることを求められる。そのため、初婚の際に女性が処女でなかった場合、そもそも契約条件を満たしておらず「結婚は無効」という解釈が成り立つ。
ユダヤ教では結婚は神聖な行為と考えられ、未婚の男性は一人前とみなされない。結婚は神が人間を誕生させて最初に行った行為であるから、必ず結婚すべきであるとされている。今でも伝統を守る地域では男子は18歳になると結婚する。恋愛は行うべきだが恋愛はあくまで一時的なもので、結婚とは結び付かないものだと教えられている。
結婚が機密、秘跡=サクラメントとして扱われるのはそれが神との契約以外の意味をもつからである。サクラメントとは、神による見えざる神秘的な恵みを、見えるものを通して自身の心体に享けることを意味する。信徒として生きることそのものに機密的あり方を見出し、人生全体を神との交わりのうちに走りきることが一番大事な機密的なことである。それが一方で夫婦間の関係を規定するのであるから隠していなければならない。

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