ジグムント・フロイト。西暦1900年ちょうど、彼が発表した『夢判断』は、国民国家と植民地国に世界が二分されている中で新しい領域を世界に提示した。それが「心理」と呼ばれる領域である。これはコロンブスの大陸発見にも勝る新しい大陸であり、進化を求めたダーウィニズム世界から一歩飛び出した物であった。人間には自分でも気付かない領域が二つあり、ひとつはたまに再浮上する前意識、もう一つは簡単には浮かび上がってこない、無意識。この2つによって人間は自己を作っているのだという。そしてこの自我は社会によって圧迫され不満に浸される、しかし人は一人で生きていけないから社会を求める。この狭間に立たされた自己はその発散を求めて暴力や戦争行為に及ぶ。これが内なる闇として我々のシンリを占めているのだ。
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