日本産科婦人科学会は、母体血を用いた新しい出生前診断に関する指針案を発表した。
■
同学会と関連学会などで第三者機構をつくり、実施する医療機関を認定。当面は、診断に関する「遺伝カウンセリングの臨床研究」として認める。1か月ほどのパブリックコメント後、実施は来年3月の同学会理事会以降。
指針は、遺伝カウンセリングを重視し、「十分な遺伝カウンセリングの提供が可能な限られた施設において、限定的に行われるにとどめるべき」とした。実施要件や対象者は米国の産科学会に倣い
- 出生前診断に精通し、豊富な診療経験を有する産婦人科常勤医師と小児科常勤医師が在籍し、いずれかが臨床遺伝専門医の資格がある
- 専門外来の設置
- 検査前の遺伝カウンセリング体制の整備
- 検査後に妊娠経過観察が可能
- 出産時35歳以上の高齢妊娠の人
- 超音波検査で胎児の染色体異常の可能性が示唆された人
- 妊娠前期に血清マーカー検査で染色体的異常の可能性を示唆された人
- 染色体数的以上を有する児を妊娠した既往がある人
診断について「医師が妊婦に積極的に知らせる必要はない」と明記。
■
新出生前診断は、既に国立成育医療研究センターや昭和大病院などが実施を公表しており、このほかに検討している医療機関や専門家と「NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)コンソーシアム」を設立している。記者会見で、同学会の小西郁生理事長は、「パブリックコメントと同時に、第三者機構の設立や施設認定の準備を進めたい」と述べた。NIPTコンソーシアムは実施延期か。
母体血による出生前診断は、妊婦の血液を分析することで、胎児の染色体に異常があることを高い確率で知ることができるが、確定することはできない。
0 件のコメント:
コメントを投稿