横書きの歴史


文字の記述は漢文によるため、漢字の流入当初は縦書きの文化だった。
それが次第に西洋からの文化流入により横書きも主流に。
漢字圏と同じように古代エジプトのヒエログリフでは横と縦の両方が使われていた。方向は左右両方があった。エジプトにある紀元前18世紀の建造物、楔形文字のハムラビ法典の石碑の碑文は縦書きだとか。
縦書き横書きから受ける読書の効果などは明確になっていない。その人が育ってきた読書文化的背景が大きいだけである。

■日本の横書きの歴史
 821年 空海によって書かれる。仏典の梵字に習い漢字を表記。
1862年 歌川貞作の浮世絵に登場。右から左へ書いた。
1871年 浅解英和辞林。左から右への横書き
1928年 神戸新聞が見出しを横書きへ
1979年 JW-10というワープロが登場。左から右への横書きが主体。

■他の國
韓国:日本同様、もともと文章は縦書きだった。現在では日本以上に横書きが主流になっている
中国: 1920年ごろから横書きが始まった。毛沢東が文字改革を指示したのは、中華人民共和国が成立してまもない1951 年。1955 年12 月に「第一次異体字整理表」が公布され、1956年1 月には国務院が「漢字簡化方案」を批准して、これで簡化字が中国の正規の文字となった。最近の中国人へのアンケートでは横書きが正しい文字の書き方だと答えるようだ。


参考:『横書き登場』(屋名池誠著、岩波新書)、『中国の漢字問題』(蘇培成・尹文武傭編)

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